今月に創刊された大東文化大学の社会学研究所の紀要に僕の論文を載せました。
大東で学部生に手伝ってもらった研究なんですが、なんとその学生が漫画家さんだったんです。
そこで、漫画界では漫画の背景効果が感情を引き起こすとされているので、その学生に漫画の背景効果を(なんと)実際に書いてもらって、その感情効果を調べたんです。
実際の漫画家さんに調査資料を作ってもらったという点でなかなかの独自性ですよね。
具体的には、実際に漫画を制作するときの資料である背景効果の作画資料では、基本六感情のうち五感情のそれぞれを引き起こす背景効果があると説いており、怒りの感情を喚起する物、喜びの感情を喚起する物、悲しみの感情を喚起する物、恐れの感情を喚起する物、驚きの感情を喚起する物が紹介されています。
この研究では、基本六感情に関する質問項目、一般感情に関する質問項目などを使用し、これらの背景効果が引き起こす感情を特定しました。
大まかな結果を述べると、背景効果は平均的には意図された感情を引き起こすことができるが、個別の背景効果の結果を見ると必ずしも意図された感情を引き起こすわけではないことが分かりました。
という感じの今までに取り組んだことのない研究で非常にキャッチーなので、ぜひ気分転換に読んでみてください。
なお、本ホームページからダウンロードすると容量制限の関係で英文なしの論文になります。
英文ありの全文はリサーチマップからダウンロードしてください。